教育について

幼児期のシュタイナー教育について

ドイツの思想家ルドルフ・シュタイナーが提唱したアントロポフィー(人智学)という人間観、世界観をもとに作り出されたシュタイナー教育は

人生全体を考察し、年齢に応じた教育のあり方を示しています。

シュタイナー教育では、人は大きく7年ごとの周期で成長すると考えられており、それぞれの周期で発達課題があり、それに応じて環境や学びがその時期にふさわしいかどうかを大切にしている教育です。

生まれてから幼児期までの7年間、シュタイナー教育では、主に体を育むことと意志を育てることを大切にしています。それは、自我が育つ成人以降の人生において、自分の力で自分の人生を歩んでいける真に自由な人間へと成長する基礎になると考えています。幼児期のシュタイナー教育では、文字や数字などの知識は教えません。ゆっくり、しっかりと、こどもひとりひとりのもっている力を大切にし、人間の根っこを育てていく教育です。

※詳しくは「日本シュタイナー幼児教育協会HP」をご覧ください。

※意志とは…行為すること。

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​メルヘンこども園の教育内容について

シュタイナー幼児教育を基本理念とし、以下のことを実践しています。

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​模倣と手本

この時期のこどもは、知性を通して学びません。歩くことや話すことなど人間の基本的な能力を、大人が知的な言葉で諭したりするのではなく、こども自ら模倣(真似をする)して学んでいます。

この模倣活動は誰かに言われたから行う行為ではありません。

こどもたちは周囲で起こっていることに深い関心を持っており、それらを模倣することに大きな喜びや満足を感じています。さらには、まわりにある環境や大人たちの内面までもすべてを吸収し模倣します。R.シュタイナーは社会三層構造という理論の中で、精神には自由をと訴えています。この精神の自由を育む基礎をなるのが、この模倣活動なのです。

そのため園では、さまざまな動きの体験をこどもたちが自発的にできるよう、教師は愛情をもってこどもたちと接し、やるべき仕事を喜びをもってこどもたちの前で実行します。このような雰囲気はこどもたちとの信頼の基礎となり、教師が行う手仕事や料理などさまざまな行いを、こどもたちは自発的に個性に合わせて模倣します。この模倣によって、健全な体・臓器が作られ、のちに考える力のもとになります。

 

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リズムと繰り返し

この時期は身体が最も大きく成長する時期です。この成長と臓器の成熟のために、こどもは多くの生命力を必要とします。この生命力は、こどもが起きている時間(活動期)と寝ている時間(休息期)が交互に繰り返されるリズミカルな日常生活の中で再生されます。食事や睡眠の時間が決まっていて、一日の流れが一定していることは、こどもに安心感を与え、自分のリズムを見つけるのに役立ちます。慣れ親しんだルーティンが毎日繰り返されれば、こどもは夜になっても「明日になればすべてが整う」と確信して眠りにつくことができます。それが意志の力のもとになります。

そのため園では、リズムを大切にしています。1日のリズムではこどもたちが教師のおおいの中で自主的に活動する時間(屋内外での自由な遊び)と、教師が意図的に刺激を与える時間(素話やライゲンなど)に分かれています。

それはまるで呼吸のプロセスのように、息を吸い取り込む段階(集中して聴いたり見たり環境を吸収する)と、息を吐く段階(外に向かって行動する)を交互に繰り返しています。息を吸う時と吐くときの間には転換点があるように、教師はことばではなく、歌などを用いてその転換点を大切にし、園のリズムの中にこどもたちを導いでいます。1日のリズムがあり、1週間のリズム(曜日ごとに決められたおやつやカリキュラム)があり、1年のリズム(季節のごとの祝祭など)があり、その繰り返しを大切にしています。

​※ライゲン…輪舞といい輪になって季節に合った歌や踊りを行う。

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​にじみ絵

​オイリュトミー

クラフト
 

自由遊び

にじみ絵

幼児期のこどもは色を色として知覚するだけではなく、色の本質も感じています。それは小学生になるくらいにはなくなり、色は物の属性として認識されるようになります。そのため、このころのこどもたちには、絵のテーマや説明は必要なく、純粋に色を体験をさせることを大切にしています。

 

オイリュトミー

ギリシャ語に源をもつ言葉で、『オイ』は美しい、『リュトミー』はリズムの意です。

R.シュタイナーがアントロポゾフィーを基盤に生み出した運動表現芸術です。それは、生命力とこころの働きと精神性の相互作用を高め、からだの自由な動きを生み出し、人間を育てていく芸術的表現活動とも言われています。幼児期のこどもにとってのオイリュトミーは、こどもたちの呼吸を整え新陳代謝を促し、しっかり立つ、歩く、動くという基本的な力を育みます。

オイリュトミーの時間は、こどもたちが自ら生きる意志を育むかけがえのない機会になります。

 

クラフト

室内遊びの時間には、曜日や年齢に応じて、編み物や縫い物、刺繍などの芸術活動が行われます。素材を変容させて創る行為は、基本的な人間的行動の一つです。その行動は、創造力や器用さや美的な判断力を養う大切な活動で、何かを創ることはこどもにとっても心が満たされるものです。

 

自由遊び(室内とお外)

こどもたちが遊ぶおもちゃは、創造力を発揮する余地を十分に残している素材を使い、教師の手作りのものが使われています。幼児期は、その後の人生にとっての創造力の基礎となる時代です。木や樹皮、木の実、羊毛、絹、貝殻などの自然素材のおもちゃは、何一つ同じものがなく、こどもたちの五感を刺激します。布がかけられるスタンドで家を作ったり、布を巻いてエプロンに見立ておままごとをしたり、シンプルなおもちゃは、こどもの創造力によって様々なものに変わります。

​教師は自由遊びの間、おやつの準備をしたり、新しい人形をこどもたちのために作りながら注意深くこどもたちを見守っています。紐を結んだり、物の取り合いをしているこどもたちを助けるといった関わりはありますが、こどもたちと一緒に遊ぶことはありません。手本となる教師が行っている創造的な仕事を、こどもたちは模倣し、遊びの中にとりいれます。